『人材マネジメント入門 人事の基礎をゼロからおさえておきたい人のための「理論と実践」100のツボ』
要約・感想
- 企業の人事担当者、管理職、人材業界の方など、人材を活かして成果を上げる必要のある方
作品情報
- タイトル:人材マネジメント入門 人事の基礎をゼロからおさえておきたい人のための「理論と実践」100のツボ
- 著者:坪谷邦生
- ジャンル:ビジネス・マネジメント・HRM
著者紹介:坪谷 邦生(つぼたに くにお)
20年以上、人事領域を専門分野としてきた実践経験を活かし、人事制度設計、組織開発支援、人事顧問、書籍、人事塾などによって、企業の人事を支援している。
主な著作『図解 人材マネジメント入門』(2020)、『図解 組織開発入門』(2022)など。
略歴:1999年、立命館大学理工学部を卒業後、エンジニアとしてIT企業(SIer)に就職。2001年、疲弊した現場をどうにかするため人事部門へ異動、人事担当者、人事マネジャーを経験する。2008年、リクルートマネジメントソリューションズ社で人事コンサルタントとなり50社以上の人事制度を構築、組織開発を支援する。2016年、人材マネジメントの領域に「夜明け」をもたらすために、アカツキ社の「成長とつながり」を担う人事企画室を立ち上げる。2020年、「人事の意志をカタチにする」ことを目的として壺中天を設立し現在。
株式会社壺中天 代表取締役、壺中人事塾 塾長、株式会社アカツキ 人材マネジメントパートナー、株式会社ウィル・シード 人事顧問、株式会社ポニーキャニオン 人事アドバイザー、中小企業診断士 Certified ScrumMaster認定スクラムマスター
オーディブル情報
- 通常再生時間:9時間2分
- 実際に聴いた再生時間:2時間35分(3.5倍速)
この記事では、私が上記の再生時間で聞き、理解した内容について感想を交えて綴っていきます。
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本を読むにあたって:動機、何を学びたいか
リーダーシップや、心理的安全性、チームビルディングに関する本を聞く中で、人を仕組みで動かすことに興味を持つようになった。
また、人事評価制度の構築について相談を受けることがあり、今後仕事になっていく可能性も出てきたことから、人材マネジメントの分野について勉強しようと思い、いろいろ本を探すうちにいきついた。
人事関連の仕事に就いた方の入門書となっており、人事関連の業務内容や必要な知識、考え方などを体系的に学びたいと考え本書を聞くことにした。
結局、仕事は自分一人でやっていても大した成果はあげられない。
アフリカの諺で
「早く行きたければひとりで行け、遠くにいきたければみんなで行け」
というものがあるが、大きな成果をあげたければやはりチームを率いた方が大きな成果が出せると思う。
それにはこの人材マネジメントの分野を学ぶ必要があると考え、この分野の本をたくさん聞こうと思っている。
あらすじ・目次
オーディブルでのあらすじ
Q&Aと図解ですぐに読める! 現場で使える知識が満載◎
組織を成長させるための理論と実践を体系的にまとめて収録◎
「トヨタ・リクルート・サイボウズ・アカツキ」の実例も紹介
- 人事力検定『人材マネジメント入門』公式テキスト
- Q&Aと図解ですぐに読める! 現場で使える知識が満載
- 組織を成長させるための理論と実践を体系的にまとめて収録
- 「トヨタ・リクルート・サイボウズ・アカツキ」の実例も紹介
当書は 10章×10のツボと 4 社の実例により、人材マネジメントの基礎知識を図解と文章で展開していきます。
気になるツボだけを「つまみ食い」することもできますし、通して読めば構造的に人材マネジメントを把握することができます。
各章の構成・目次
Chapter 1. 人材マネジメント
人材マネジメント全体の目的、歴史、構造、日本の特徴、効果的に行う方法などの概論です。
Chapter 2. 人事評価
人材マネジメントの判断情報となる「人事評価」。
その目的、対象と主な方法、 これからの展望について解説します。
Chapter 3. 賃金・退職金(外的報酬)
働くことによって得られる「報酬」のうち、外的報酬と呼ばれる「賃金・退職金」。
その内訳と決定方法、重要な納得感の醸成について解説します。
Chapter 4. 働きがい(内的報酬)
報酬のうち、内的報酬と呼ばれる「働きがい」。
日本の現状や、向上させる方法について解説します。
Chapter 5. 等級
人材マネジメントの方針を具現化した骨格である「等級」。
その歴史と種類、自社に適した等級について解説します。
Chapter 6. 採用
人材の流れである「リソースフロー」の入り口「採用」。
人員計画、人材要件、選考の手法について解説します。
Chapter 7. 異動・代謝
リソースフローの中心であり適材適所の重要な手法である「異動」、そしてリソースフローの出口である「代謝」。
その方法と日本の特徴について解説します。
Chapter 8. 人材開発
企業が投資して人を育成する「人材開発」。
対象となる能力、方法、これからの展望について解説します。
Chapter 9. 組織開発
組織の効果を高める計画的な取り組みである「組織開発」。
その定義、対象、方法について解説します。
Chapter 10. 働く人
働く人の視点で、キャリアと専門職プロフェッショナルについて考えます。
また、各章末には「4社の事例」として実際の企業がどのように人材マネジメントを実践しているのか、企業規模と育成雇用のスタンスから4タイプの実例を挙げています。
さらに人事担当者、管理職、経営者、人材業界のそれぞれも方に向けた著者からのメッセージを「まとめ」も各章ごとに掲載しています。
要約
人事の”教科書”
人事とは「人を活かして事を成す」役割。
企業の人事担当者、管理職、人材業界の方など、人材を活かして成果を上げる必要のある方が改めて人材マネジメントについて、体系的に学べるような内容となっている。
10章で構成されており、世界、日本の人事の考え方の歴史や主流について触れながら、現在どのような人事マネジメントが求められているか説明されている。
人事の考え方、仕事で必要な項目が全て網羅されているといっても過言ではない。
人事の10のツボ(の中から3つを紹介)
人事評価の目的として
- 公平感のある処遇の分配
- 社員の活用と育成
- 企業文化の醸成
上記の3つを挙げ、公平感についての考え方や一時評価者の役割について説明しつつ、「必要なのは公平性で従業員に対して誠実であることが求められる」としている。
報酬
報酬は内的報酬と外的報酬に別れている。
- やりがい
- 他者からの承認
- 社会的地位
- お金(給料)
外的報酬には限りがあり、一定以上の水準を超えると従業員の満足度は変わらない。
外的報酬は納得のいく水準を、内的報酬はできる限り大きくすべき。
等級
等級については、「人材マネジメントの骨格である」と表現している。
普段人間は骨が体を支えていることは意識しないが、いざ骨がなくなるとぐにゃぐにゃで何もできない。
等級もきちんと企業の目指す姿、コンセプトを明確にした骨組みとして設計することで従業員の納得感につながる。
人材開発と組織開発の違い
人材開発は人に焦点を充てるもの。
組織開発は人と人との関係性、プロセスに焦点を充てるもの。
組織開発を行う上で重要なのはビジョン、ミッションを明確にすることで、まずは言葉の定義を明確にすることが重要だと説明している。
ミッションは変えないもの・その企業の軸となるもの。
ビジョンは変えていくものである。
最後に
冒頭でも記載したが、「早く行くなら一人でいけ、遠くにいくならみんなで行け」という諺の通り、大きな成果を出すためにはやはりチームを組成する必要があり、それを効果的に機能させるためには人材マネジメントの理解は必須だと改めて思った。
「チームを組成し、効率的に成果を上げるためのツールとして人事という仕事がある」と改めて感じた。
個人的に、中小企業の再生に携わる仕事が少しずつ増えてきているが、これまで携わることは収支などの数字管理のところがメインであった。
再生が少しずつ始まるにつれ、その会社が今まで人材マネジメントについてきちんと考えて実行がされていないケース、そして従業員のモチベーションが低下しているケースはとても多い。
再生が始まる段階で、改めて従業員にその会社のビジョン、ミッションを説明し、皆に納得してもらえる公平な評価制度を構築し、会社がどこに向かっていこうとしているのか、それに向かって従業員全員が同じ方向を向いて再生に邁進できるようにするために、人事評価の構築は非常に重要だと改めて思った。
人材マネジメントの考え方の辞書的に使える本であり、非常に参考になった一冊であった。
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