『ロジカル・プレゼンテーション-自分の考えを効果的に伝える戦略コンサル担当の[提案の技術]』 要約・感想・書評
こんな人におすすめ!
- 相手に話がうまく伝わらないと悩んでいる方
- 今後ビジネスで営業やプレゼンの機会が増える方
作品情報
- タイトル:ロジカル・プレゼンテーション-自分の考えを効果的に伝える戦略コンサル担当の[提案の技術]
- 著者:高田貴久
- ジャンル:ビジネス・問題解決、マネジメント
著者紹介:
戦略コンサルティングファームであるアーサー・D・リトル(ジャパン)出身。
その後クライアントであった、マブチモーター株式会社へ転職。その後ボストン・コンサルティング・グループを経て、2006年に株式会社プレセナ・ストラテジック・パートナーズ設立。
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要約
先日紹介した同著者の
「問題解決-あらゆる課題を突破する ビジネスパーソン必須の仕事術」の前作にあたる。
導入
著者はビジネスパーソンに必要なスキルとして
【ビジネスパーソンに必要なスキル】
- 論理思考力 →今作でピックアップ
- 仮説検証思考力 →今作でピックアップ
- 会議設計力 →今作でピックアップ
- 文書表現力 →今作でピックアップ
- 分析力 →前作でピックアップ
- 問題解決 →前作でピックアップ
- 戦略立案 →前作でピックアップ
- プレゼン能力 →今作でピックアップ
- インタビュースキル
- ファシリテーション
- 価値観
- 行動様式
- リーダーシップ
を上げている。
前作では主に
5.分析力、6.問題解決、7.戦略立案にスポットを当てているのに対し、
本著は
1.論理的思考、2.仮説検証思考力、3.会議設計力、4.文書表現力、8.プレゼン能力にスポットを当てている。
考える能力と伝える能力
ビジネスマンが価値の高い仕事を提供していくうえで必須となる能力である、論理思考力・話をつなぐスキル・仮説検証・疑問に答えるステップ・会議設計力・議論をまとめるスキル・資料作成力を「提案の技術」という切り口として、本著はまとめられている。
物事を論理的に考えられたとしても、相手に正しく伝えられなければ意味がない。
プレゼンテーションができても、話に中身がなければ意味がない。
正しく考える能力、正しく伝える能力はビジネスマンにとって必須の能力であり、両輪としてバランスよく鍛えなければならない。
論理思考やプレゼン能力を鍛えるのは大事だが、手段に過ぎない。それらのスキルを鍛え、物事の理想の状態を考えだし、それを相手に正しく伝えられることが大事、としている。
なぜ提案の技術を磨く必要があるのか。
提案にあたっては、論理的思考・仮説検力・議論をまとめるスキル・資料作成力について、解説をしながらストーリーが進んでいく。
本書を読むことによって、それぞれのスキルについてそれがどういうものか、なぜそれが必要なのか、それによってどういう成果をもたらすことができるのか、を理解することができる。
各章の構成
- はじめに:提案の技術とは何か
- 本書の構成
- 提案の技術は誰にどう役立つのか
- なぜ、「提案」がうまく通らないのか
- 序章:新規事業立ち上げのストーリー
- 第一章:提案の技術
- 序説:提案の技術を磨く〜毎日が提案の連続〜
- 第二章:論理思考力 話をつなぐスキル
- 序説:論理的であるとは〜なぜ論理的になる必要があるのか〜
- 第一節:縦の論理を構築する〜縦の論理がつながらない三つの原因〜
- 第二節:横の論理を構築する〜横の論理をつなげるには〜
- 第三章:仮説検証力
- 序説:仮説検証力とは何か〜論理思考の落とし穴〜
- 第一節:目的を理解する〜「論理のスタンス」と「相手の要望」〜
- 第二節:論点を把握する〜論点とは何か〜
- 第三節:仮説を構築する〜仮説とは何か〜
- 第四節:検証を実施する〜仮説を証明する〜
- 第五節:示唆を抽出する〜示唆とは何か〜
- 第四章:議論をまとめるスキル
- 序説:会議を設計する〜会議はなぜ退屈なのか〜
- 第一節:着地点を定める〜「位置づけ」と「イン/アウト管理」〜
- 第二節:着地スタイルを決める〜着地スタイルは相手によって変える〜
- 第五章:資料作成力 紙に落とすステップ
- 序説:資料作成力とは〜紙に落とすための五つのステップ〜
- 第一節:メッセージは端的に〜伝えたいことを三行で言い切る〜
- 第二節:チャートで表現する〜瞬時に意味を伝える〜
- 第三節:スライドに配置する〜スライド作成の二つのポイント〜
- 第四節:パッケージを完成させる〜パッケージ作成の二つのポイント〜
- 第五節:マテリアルとしてまとめる〜マテリアルを構成する〜
- 第六章:最終章 提案の成功
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私が感じたこと
【読む前】
以前に紹介した「問題解決」と同じ著者である。
今後仕事をしていくうえでも問題解決のスキルは必須であるが、問題解決のスキルは手段であり、目的ではない。
問題解決に絞って話をするのであれば、相手にそれを正しく理解させるために、論理的に正しく伝えるスキルとしてのプレゼンテーションも必要になると考え、本著にも興味を持ち聞くことにした。
「論理的に」という言葉はよく聞くが、そもそも論理的っていったいどういうことか?というのもきちんと説明できなかったので、これを機会に
「そもそも論理的とはどういうことなのか」
「論理的に考えたことを正しく相手に伝えるためには何が必要なのか」
について学びたいと思った。
【読んだ後】
「論理的に説明する」とは『話がちゃんとつながっていること』『誰であっても同じように話が理解できること』と筆者はいう。
そもそもなぜ論理的に話をする必要があるのか?
それは『どんな相手をも説得し、理解させるためである』とある。
立場や文化などの前提があってないと通じないことが多い。
そういった場合においても自分の伝えたいことを正しく伝えるために、『誰でも正しく理解することができるように論理的に説明をする』ということが必要だと改めて理解することができた。
プレゼンテーションというと取引先への商談の際のプレゼンなどを思い浮かべるが、著者がいうように毎日がプレゼンの連続であると思う。
相手がだれであっても正しく理解してもらうために論理的に正しく伝える技術は必要だと改めて思った。
心に響いたポイント
『会議設計力』という言葉を初めて聞いた。
当然といえば当然なのだが
①会議の目的を定め、②会議がどういった種類のものかを決め、③また参加者が誰で、④どのくらいの理解がある人達が参加するのか、などを事前に把握し、その上で⑤自身がその会議でどこまで議論を持っていきたいのかということを明確に定めて臨むのは、確かにその通りだと思った。
これを行うことによって、ダラダラ何を決めるのかよくわからない会議はなくなると思う。
また、プレゼンなどでなぜ相手と噛み合わないことがあるのだろうか?と思うことがこれまでもあったが、今までは相手のせいにしていることもあったと思う。
そうではなく私が、『相手が何を求めているのか』ということを理解しようとしてなかった。自分の言いたいことだけを押し付けていただけだった。ということにも気づかされた。
最後に
社会人のときも起業してからも、営業やプレゼンをする機会というものはこれまでたくさんありました。
ですが、「論理的」とか「会議を設計する」とか、勘や経験だったりでなんとなくこなしてきたんだな、と改めて思わせれました。
もっと早く本からそういった知識やノウハウを身に着けていればよかった…と後悔しても仕方ないので、今までの経験はそれはそれでよしとして、ここで改めて、体系的に論理的に考えること・伝えることについて理解を深め、今後に活かしていければいいと思いました。
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