『起業家の勇気 USEN宇野康秀とベンチャーの興亡』
要約・感想
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作品情報
- タイトル:『起業家の勇気 USEN宇野康秀とベンチャーの興亡』
- 著者:児玉博
- ジャンル:ビジネス・自伝・回顧録
著者紹介:児玉博
1959年生まれ。早稲田大学卒業。フリーランスとして取材、執筆活動を行う。「堤清二 罪と業」で大宅壮一ノンフィクション賞(雑誌部門)受賞。
オーディブル情報
- ナレーター:中西 尚也
- 通常再生時間:8時間36分
- 実際に聞いた再生時間:2時間28分(3.5倍速)
オーディブルではこのように倍速にして(最大3.5倍)効率よく読書の時間が作れます。
この記事では、私が上記の再生時間で聞き、理解した内容について感想を交えて綴っていきます。
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本を読むにあたって:動機、何を学びたいか
一応、経営者の端くれとして、有名な起業家の回顧録は定期的に読んでいきたいと思っている。
規模も内容もまったく異なるけれども会社を大きく発展させた起業家の考え、姿勢を学ぶことは価値のあることだと思っている。
留置所で生活していた80日間で稲盛和男氏や柳井正、江副浩正、小林一三など起業家の自伝的なものを複数読んだが、最近触れていなかった。
たまたまオーディブルで本を探していたところで新着で上がっていたので興味をもち聞くことにした。
あらすじ・目次
オーディブルでのあらすじにはこのように記載されている。
オーディブルでのあらすじ
“ヒルズ族の兄貴分”が見たベンチャーの興亡
堀江貴文、藤田晋ら“ヒルズ族の兄貴分”と呼ばれた男。
ネットベンチャーが続々花開いた時代に、USENの宇野康秀社長は、フジテレビからホリエモンのライブドア株を購入したり、プロ野球の新規参入問題などで、メディアの脚光を浴びました。2001年には、平井堅、米倉涼子らとともにベストドレッサー賞も受賞しています。
しかし華やかに見えるその半生は、挫折と試練の連続でした。
父親の元忠は大阪ミナミで有線放送の会社を興し、裸一貫、全国を制覇した立志伝中の人物です。ところが無断で電柱に有線のケーブルを引いたり、ライバル会社のケーブルを切ったりという悪どいやり方は、息子である康秀に巨大な負債となってのしかかります。
やっとのことで有線放送の会社をブロードバンド事業へと導いた宇野の手腕。しかしこれからという時に、リーマンショックによって経営は暗転し、融資を受けた銀行団との壮絶なバトルが始まるのでした。
起業家の資質とは何か、起業精神の本質はどこにあるのか。
壮大な事業に挑んだ宇野元忠、康秀父子の生き方を軸に、若き日の孫正義、三木谷浩史、藤田晋、村上世彰ら、錚々たるベンチャー創業者たちの興亡の歴史を鮮やかに描きます。
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各章の構成・目次
- 有線の鬼
- カネのカ
- 大阪戦争
- 江副浩正とリクルートの時代
- お前より優秀な奴を採用しろ
- インテリジェンス創業
- 新入社員、藤田晋
- 父、元忠の最期
- 血染めのわら人形
- 三木谷、堀江、村上 躍動す
- 孫正義の空手形
- 社長追放
要約
まるでフィクション?壮絶な経営者人生
インテリジェンス(現パーソルキャリア)の創業者。
インテリジェンスの上場目前にして、実の父親が創業した大阪有線(現USEN)を引継ぎ、父親が残した「電柱の無断架設」という負の遺産を引き継ぐ。
火中の栗を拾いながら、その負の遺産を正常化に導いていく。
その後リーマンショックを経て業績が悪化し、USENの代表を辞任。元従業員を300人引き連れてU-NEXTを創業、上場させたのちにUSENを買い戻し完全に返り咲く。
オーディブルで聞いているため、基本抑揚がなく淡々と語られているのだが、とにかく内容が濃い。
電柱の無断架設問題で正常化にどのくらいの費用がかかるかわからない中で、息子である自分が解決しなければいけない問題であると判断し、自身で創業した上場目前だったインテリジェンスを離れて大阪有線を引継ぎ、見事に正常化させた手腕はすさまじい。
その後リーマンショックで苦境に追い込まれ、金融機関から壮絶な圧力を受けながら一時USENから離れるものの、その後U-NEXTを創業、USENを買い戻し、現在はグループ企業の代表として返り咲いている。
ベンチャー企業社長?それとも2代目?
本書の最後に、サイバーエージェントの藤田氏が、著者の宇野さんは
「ベンチャー社長なのか、それとも2代目社長なのか」
という問いかけに、こう答えている。
「そりゃベンチャー社長ですよ。起業家の総合力をチャートにすると、全てがマックスなんじゃないかな。」
そして続けて、「弱点としては優しすぎる所かな」と時代を代表する起業家である藤田氏がコメントを残している。
一人で3社もの株式上場を果たした経営者は、宇野氏のみだそう。
何度挫折しても立ち上がり復活するスピリットは、まさに本著のタイトル「起業家の勇気」を体現している。
最後に
インテリジェンス創業秘話、大阪有線の事業承継、リーマンショックによる業績悪化、その後事業売却、U-NEXT創業、上場させUSENを買い戻す…
どれをとってもすさまじい話であり、そんなの人間でありえるのかと思える内容であった。
中でも大阪有線の負の遺産(電柱の無断架設)を正常化させた話、一旦ダウンサイジングさせて経営再建を真正面から行ったことはすごすぎる話であった。
自身の父親が残した負の遺産であるから、という理由で上場目前であったインテリジェンスを離れ火中の栗を拾いに行った宇野氏。
それを見事に再建させた手腕は本当に他に類を見ない経営者なんだろう、と思った。
やはり起業家の回顧録は非常に面白いし、その人の人生、経験を少しでも学ぶことができれば今後の自分の人生にとって価値のあることだろう、と思う。
自分ももともとは会社を経営していて、自分が犯した過ちで全てなくなってしまった。
規模も内容もまったく違いすぎて参考にはできないかもしれないが、「自分も最後まであきらめない」ということを改めて決意できた本であった。
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