『デザイン思考2.0-人生と仕事を変える「発想術」-』を聴いてみた
要約・感想
- デザイン思考について学び、仕事や人生に活かしていきたいと考える方
- 自身のキャリアに悩みがあり、自分が何をしたらいいかがわからなくなってしまった人
作品情報
- タイトル:デザイン思考2.0 人生と仕事を変える「発想術」
- 著者:松本勝
- ジャンル:ビジネス・自己啓発・マーケティング
著者紹介:松本勝
VISITS Technologies株式会社 CEO/Founder
1975年大阪府生まれ。東京大学大学院工学系研究科修了後、ゴールドマンサックス入社。株式トレーダー、金利デリバティブトレーダーを経て、2010年に人工知能を用いた投資ファンドを設立。
2014年にVISITS Technologiesを設立し、人の創造性やアイデアの価値を定量化する合意形成アルゴリズム「CI(コンセンサス・インテリジェンス)技術」を独自開発して日米で特許を取得。ビジネスカンファレンスやアワードの受賞多数。
趣味は筋トレ。アームレスリング元日本代表。
FWJ JAPAN OPEN 2022フィジークマスターズ優勝。
オーディブル情報
- ナレーター:村雨 龍人
- 通常再生時間:4時間14分
- 実際に聞いた再生時間:1時間13分(3.5倍速)
オーディブルではこのように倍速にして(最大3.5倍)効率よく読書の時間が作れます。
この記事では、私が上記の再生時間で聞き、理解した内容について感想を交えて綴っていきます。
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本を読むにあたって:動機、何を学びたいか
現在いくつかの会社からこれまでの経験を生かしたコンサルティング的な仕事の依頼を受けているが、いずれ改めて自身でビジネスを作りたいと考えているため、マーケティングの勉強もしなければと考えていた。
商品やサービスが世の中に存在するのは、要は誰かの問題が解決されたり、現実と理想のギャップを解消するためにその商品やサービスが必要になる、ということだと思うので、何かそういった際に必要な考え方を学びたいと思っていた。
そんな中でオーディブル上で探して見つかったのがこの本であった。
デザイン思考についてはこれまでの本にも登場してくるのだが、イマイチ理解できていなかったので改めて知りたいと思い、聴くことにした。
あらすじ・目次
オーディブルでのあらすじにはこのように記載されている。
オーディブルでのあらすじ
自由自在の「創造力」をその手に!
アップルの創業者スティーブ・ジョブズや、アマゾンの創業者ジェフ・ベゾスなど、「世界を変えた」イノベーターの思考方法を子細に分析すると、共通する5つのステップが浮かび上がってくる。
- 共感
- 問題定義
- 創造
- プロトタイプ
- テスト
これこそが、「デザイン思考」のごくシンプルな思考ステップだ。
Facebook、スマートフォン、Wii、Uber、Airbnb、吉野家など、ヒット商品やヒットサービスを分析することで、より具体的に、デザイン思考が現実の課題の解決にどう役立ったか、応用できたのかが、よりリアルに理解できる。
さらに、「決断」の連続であるビジネス同様、人生には絶え間ない「選択」を求められる。
もしあなたがこのデザイン思考を身につけて、目の前の問題に立ち向かうことができれば、ビジネスも人生もすべてがうまくいく。
本書を手にとった今日から、自由自在の「創造力」「アイデア力」という武器を手に入れることだろう――
仕事でも人生でも、時に行き詰まることがあります。社会が多様化する昨今、その行き詰まりの原因も、人によって様々。
そんなとき、壁を打破するための指針となり、「毎日をより良く生きる」ために必要なのが「デザイン思考」のメソッドです。
著者の松本勝氏は、東京大学大学院を修了後、ゴールドマンサックスを経て、VISITS Technologies社を起業し、AI技術で日米特許を取得しました。
同社が運営する『デザイン思考テスト』は大手商社やコンサル会社の採用フローにも導入されています。
現役の経営者として価値提供を続ける松本氏の言葉は、ビジネスパーソンはもちろん、すべての「難題と向き合う人」にとって見逃せないものばかりです。
詳しくはこちらから見れます↓
各章の構成・目次
第一章 誰でもできる「イノベーション」
- ジョブズもベゾスも「普通の人」
- 重要なのは、今までにない「新しい組み合わせ」
- デザイン思考の「5ステップ」
- 「創造力」とは何か
- 新時代に求められる「課題発見力」と「課題解決力」
- 「反対9割」こそが良いアイデア
第二章 始まりは「ニーズ」
- まずは「問い」を〝立てる〟ところから
- 顕在ニーズと潜在ニーズ
- 「共感」するための2つの手法
- 「本源的欲求」はどこにあるのか
- 「ユーザーの声」は常に真実とは限らない
第三章 目指すは究極の「いいとこ取り」
- 「無意識の諦め」を覆す
- 「安全で速い車」は存在する
- 既存サービスの「価値」は何か
- 「当たり前」を疑う
- バイアスを取り除く
第四章 「新たな価値」を創造する
- 「建設的批判」が価値を生む
- 1人のアイデアより皆のアイデア
- 「あれもこれも」はNG
- ナンバーワンよりオンリーワン
第五章 人生に活きる「デザイン思考」
- 自身の「潜在ニーズ」に目を向けて
- あなただけの「提供価値」がある
- 日常から取り組めるデザイン思考トレーニング
- 共感がもたらす円滑なコミュニケーション
オーディブルは項目が細かく分かれていることが多く、これに目を通すだけでも、ざっと本の内容の大筋をつかむことができる。
特にこの著書については、概要も目次もとても分かりやすく記載があり、これに目を通すだけでもとてもためになります。
要約
デザイン思考とは、市場分析や過去の事例分析ではなく、人の気持ちをデザインする思考法であり、人の心の動きから考える思考方法。
あるシーンにおいて、「人はどのような感情をもち、何を求めるのか。どんな時に心が動くのか。」を考察する方法。
なぜ市場が存在するかを考えると、多くの人がサービスを利用するからである。
ではなぜ多くの人がサービスを利用するのか、それは多くの人がサービスを利用した際に心が動くから。
そうであるならば、どのようなサービス体験をデザインすれば人の心が動くのかを徹底的に考察し、そのサービス体験をうまくデザインすれば人の心が動き、人が利用し、市場が生まれることになる。
「アート」と「デザイン」との違い
デザイン思考とは、デザイナーの問題解決のアプローチ方法をビジネスに転用した思考方法。デザインという言葉には問題解決という要素が含まれている。
日本だとアートと混同されているが、アートは何かしらのアウトプットで、自己表現を行うことを目的としているが、デザインは達成したい目的や作りたい世界観を実現する問題解決のための活動のことを指す。
アート:何かしらのアウトプットで、自己表現を行うことが目的
デザイン:達成したい目的や作りたい世界観を実現する問題解決のための活動で、問題解決の手段
デザイナーにとってのデザインとは問題解決の手段であって目的ではない。
デザイン思考における問題解決とは、顧客自身も問題を認識していない、あるいは問題を定義できていない状況において、「もっとこうしたよくなるかもしれませんよ」と潜在的な問題についてアプローチをおこなっていくこと。
デザイン思考とは創造的問題解決であり、理想からの逆算で考えるアプローチ。
デザイン思考の5ステップ
- 共感:相手の立場になりきる。
- 問題定義:インサイト、本音を発見する。
- 創造:問題解決のアイディアを出す
- プロトタイプ:イメージ、認識を共有できるものを作る
- テスト:フィードバックを受ける
デザイン思考で取り組むべき問題は表面化している問題とは限らず、顧客のインサイトを発掘し、こちらから問題提起を行うもの。
大事なのは共感であり、あたかも相手に憑依したように相手になりきり、本当に相手になったつもりで考え抜くことが求められる。
ビジネスだけじゃない、生き方への活用
デザイン思考はビジネスだけに使えるだけでなく、自身のキャリアを考える際にも活用できる。
デザイン思考はcanではなくwillで考える思考。
“できること”で物事を考えるのではなく、”どうありたいか“という理想のありたい姿から逆算して考える思考法。
自分の本源的欲求を見つけて、それが理想だととらえた場合、その理想にたどり着くまでに何が必要なのか、ということを逆算して考えることによって『自分が幸福になる生き方、働き方』を見つけることができる。
最後に
少し本題とはそれるのだが、著書の中にデザインとアートを勘違いしている人がいる、という話がでてくるのだが、そういわれると、自分もデザインの意味をイマイチ理解できていなかったように思う。
デザインは問題解決の手段であって、顧客の問題を解決する一つの手段としてデザインがあるに過ぎない。
「顧客の問題を考えずに行うデザインはただ自己表現を行うことを目的としたアートである」という話は、なるほど、という感じであった。
例えばこれまでもHPのデザインやLPの制作を依頼してきたことは多くあったが、何かピンとこないことが多かった。
その要因の一つが、仕事を発注する前に伝えたこちらの問題をきちんと伝えられていなかったり、制作側が理解しようとせずに制作に取り掛かっていることであり、そこにミスマッチがあることによってこれまでピンとこなかったことが多かったのかな、と改めて思った。
「デザイン思考はビジネスだけでなく、自身のキャリアを考える際にも活用できる」との話がでてくる。
その際に「自分のできること」でキャリアを考えるのではなく、「自分が将来どうなりたいか」を考えて逆算していくことで幸せな生き方を見つけることができる、という。
別の本になるが京セラの経営者である稲盛和男氏の著書のなかにも、「将来どうなりたいかをカラー写真のように鮮明に見えるようになるまで思い浮かべ、それに向かって邁進することによって理想の将来が実現できる」といった話がでてくるが、まさしくこのデザイン思考に当てはまるものだなと思った。
今はまだいろいろ思考錯誤の段階で、このオーディブルの本を聞いていてもジャンルが全然定まっていないが、一旦自分が将来何を成し遂げたいのか、改めて考える必要があるな、と思った。
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