【オーディブルVol.12】『THE TEAM 5つの法則』の要約・感想

オーディブル作品 要約

『THE TEAM 5つの法則』の要約・感想

こんな人におすすめ!

  • 仕事が楽しくない、部活が楽しくない、ゼミがうまくいっていない、といった愚痴をこぼしている方
  • マネジメントについて学びたいと考えている方

作品情報

  • タイトル:THE TEAM 5つの法則
  • 著者:麻野耕司
  • ジャンル:ビジネス・マネジメント

著者紹介:麻野耕司
慶應義塾大学法学部卒業後、リンクアンドモチベーション社に入社し、2010年に同社が展開する中小ベンチャー向け組織人事コンサルティング事業の執行役員に当時最年少で就任した。
のちの2013年にはベンチャーへの投資事業を立ち上げ、2016年に国内初の組織開発クラウド「モチベーションクラウド」を創設し、2018年に同社の取締役に就任している。
さらに同年には、国内最大級の社員クチコミサイト「Vorkers」と資本業務提携し、取締役副社長の重責に就く。

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要約:『THE TEAM 5つの法則』

本書は経営コンサルタントとして数多くの組織変革に関わってきた著者が、

Aim(目標設定)

Boarding(人員選定)

Communication(意思疎通)

Decision(意思決定)

Engagement(共感創造)

という5つの法則をもとに、「成功するチームとはなにか」を根性論ではなく、算数のように再現性があるものとして、論理的・科学的にチームの作り方を解き明かしている。

チームについて、1+1=2の総和以上の結果をもたらすことができるもの、としている。

その理由は、役割分担が可能であり、適材適所で得意分野の成果に集中することが可能だからとしている。

人類の進化も「チーム」があったから

また、著者は人類が進化できたのは「チーム」があったからだ、という。

「サピエンス全史」を引用して以下のように解説している。

「人類が存在していられるのもチームがあったから。

その昔人類には六種類の人種が存在したがその中で生き残ったのは私たちホモサピエンスのみである。ホモサピエンスは他の五種類の人種より個体能力が低かったとされている。

それでも生き残ってこれた理由の一つは「集団」にある、という。

複雑な言語や空想的思考によって大きな社会集団を形成し、集団の知恵によって協力、競争することによって環境に適応し他の人種を滅ぼしながら世界中に広がることができた」

このようにチームを効果的に組成することによって大きな成果を生み出すことができるのだが、

本書はそのチームづくりについて、単純な精神論や経験則ではなく、

経営学・心理学・社会学・言語学・組織行動学・構造経済学などの様々な学術的知見に基づきながら論理的にチーム作りの法則が解説されている。

これにより、「チームの法則」が明解に、かつ再現性・汎用性のある形でまとめられている。

各章の構成

第一章:Aim(目標設定)の法則[旗を立てろ!]

→目標設定には「行動レベルの目標設定」「成果レベルの目標設定」「意義レベルの目標設定」の3つがあり、それぞれについて実例を交えながらメリット/デメリットを解説

第二章:Boarding(人員選定)の法則[戦える仲間を選べ]

→チームを「環境変化の度合い」「人材の連携度合い」に分け、それぞれに必要な人材の選定方法を解説

第三章:Communication(意思疎通)の法則[最高の空間をつくれ]

→メンバー間での意思疎通について、ルール作りと効果的なコミュニケーションを実現する方法、メンバーのモチベーションやスキルを活用するコミュニケーション方法について解説。

第四章:Decision(意思決定)の法則[進むべき道を示せ]

→「独裁」「多数決」「合議」といった意思決定の方法について、それぞれのメリット/デメリットを明らかにしながら、適切に使い分けていく方法を解説

第五章:Engagement(共感創造)の法則[力を出しきれ]

→チームの成功には、何よりもモチベーション(動機づけ)が重要だとして、チームメンバーの「Engagement(エンゲージメント)」を生み出す方程式を掲げる。

その方程式とは、

エンゲージメント=報酬・目標の魅力(やりたい)×達成可能性(やれる)×危機感(やるべき)

というもので、本章では、この方程式を基にエンゲージメントを最大化する方法を解説している。

また、金銭報酬や地位報酬でだけでなく感情報酬(理念への共感、仕事のやりがい、仲間とのつながりなど)が重要だと強調する。

最終章:私たちの運命を変えた「チームの法則」

→これら5つの法則を導き出した「Theory(学術的背景)」が紹介されている。

具体的には、「私たちの運命を変えたチームの法則」として、著者のチームが「チームの法則」の実践によって、売上を10倍に、社員の退職率を従来の10分の1に、会社の時価総額を10倍にした例が紹介されている。

読む前と読んだ後の感想・気持ちの変化

【読む前】

お客様より新規事業立上の責任者を任されることになった。

ゼロからの事業立上であるが、仕事の受注自体はある程度の目途が立っていた。

作業を行うのは個人事業主の方たちであり、その方たちの作業品質と管理が大事なポイントになる。

適切なチーム作り、モチベーション管理を行うことで自発的に作業員の方たちが切磋琢磨していけるような、そんなチームを作っていくことができれば事業は拡大できるだろう、と考え、

組織作り、マネジメント関連の本をしばらく聴き漁ろうと、いきついたのが本書であった。

【読んだ後】

問題解決でも組織づくりでも、最初に「明確な目標設定が大切」と必ずかいてある。

違う本でも同じことが書かれているというのは、やはりそれが本質をついているからなんだろうなぁと思う。

これまでも自分で会社経営していて従業員はいたので、自然と組織づくりや問題解決、リーダーシップは発揮していたとは思うが、きちんと考えてこなかった。

というか、なんとなくの経験則でやっていることが多くあった。

本書ではそれを「算数のように再現性のあるものにする」という方向性を示しているとおり、多くの学術的な論文を背景にしながら、チームを作る法則についてわかりやすく体系的にまとまっている。

これから仕事をする上でチームを率いるような仕事を想定していることから、導入の一冊として非常に勉強になる本であった。

当面、マネジメント、問題解決、論理的思考法などのジャンルの本を聴き漁ろうと思う。

心に響いたポイント

第一章から第五章まで、チームづくりの法則についてかなりわかりやすくまとまっていて、これをすべて血肉にすれば、再現性のあるチームづくりができるんだろうな、と思わせてくれるものの、勉強しなければいけないことは多いな、と思った。

特にコミュニケーションの部分では、心理的安全性が高いことでコミュニケーションが深まるといった説明がなされているが、

その心理的安全性が高い場をつくるためには自分自身の器を広げる必要もあり、自身の人間力を高めて行く必要があると思う。

本書の最後に実際にこのチームづくりの法則に基づいて自身が組織再編を行い、会社の売上も時価総額も飛躍的に向上させた、という著者の実例があるが、チームづくりについて学び、自分が今後行っていく業務にも活かしていきたいと思う。

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