【再生日記】5.裁判所へ

渋谷16番の再生日記

翌日、裁判所へ

逮捕されて3日目、今日は朝から裁判所に向かうということであった。

検察に行った翌日は裁判所で勾留されるかどうかの決定を受ける、という。

逮捕されたあと、警察官からこのあとどういった流れで進んでいくのか、とかそういった説明はあまりないのでこれから何が起こるのかよくわからずとても不安だった。

今日はまた東京地検につれていかれ、そのあと裁判所に連れていかれる、ということであった。

逮捕された後の一連の流れはこのように進んでいく。

逮捕後の流れ
  • 1
    逮捕後48時間以内に検察官送致

    事件が起きて警察に逮捕されると、警察署で事情聴取を受けることになる。

    警察は48時間以内に身柄を検察官に送致するか、釈放するかを決める必要がある。

  • 2
    検察官送致から24時間以内に勾留決定

    検察に事件や身柄が送致されると、検察官は直ちに警察から引き継いだ証拠や取り調べなどを元に事件を調査をし、24時間以内に、釈放するか引き続き身柄を拘束したまま事件の調査を進めるかの判断をする必要がある。

    検察官は、身柄拘束を続けるための許可を得るために、裁判所へ勾留請求をおこなうことになる。

  • 3
    勾留中に起訴か不起訴か決定

    勾留が決定すると、留置所で最大で10日過ごすことになるが、その間に釈放するか、起訴して刑事裁判にかけるかどうかを判断することになる。

    10日間で起訴するかどうかの判断ができない場合には、勾留期間を延長する申請が出されることもあり、延長は最大で10日に及ぶ。

    つまり、延長も含めると最大で20日にわたり身柄を拘束されるおそれがある。

なので、流れとしては

  1. 逮捕(1日目)
  2. 検察に送致(2日目)
  3. 裁判所で勾留決定(3日目)
  4. 勾留期間10日~20日(最大)

よって、逮捕されると最大23日勾留されることとなる。

ちなみに私は途中で再逮捕が3回あり、そうするとこの流れを繰り返すため、約80日間勾留されることになった。

10日間の勾留が決定する

検察庁では牢獄のような部屋に入れられ、とてつもなく固いベンチのようなものに一部屋10人、向かい合ってひたすら検察官から呼び出されるまで待ち続けるのだが、

裁判所では広い部屋に椅子が並べられていて、そこに座ってひたすら裁判官から呼ばれるのを待たなければいけない。

ただ、水を飲むためやトイレのため割と自由に立ったり、座ったり、多少動いたりできるので、検察庁の牢獄のような部屋で待たされるより幾分楽であった。

勾留請求というものが検察から行われ、裁判所でその決定が下される。

裁判官から呼び出しを受けて、裁判官から事件の概要を読み上げられ、間違いないかを確認される。

そうすると

10日間の勾留を決定します

と伝えられ、ものの5分程度で自分の場合は終了した。

他の人も大体そのくらいの時間で終わっていたように思う。

とにかく、この決定を待っている時間が長い。

この日は大体朝の9時半ごろに検察庁について、一度牢獄みたいな部屋に入れられ、その後また出されて裁判所へマイクロバスで移動する。

裁判所についたのが11時頃、呼び出されたのが14時くらい、裁判所を出て検察庁に戻ったのが16時半くらい、検察庁を出たのが18時、留置所に戻ってきたのが20時くらいであった。

この日は何があったかわからないが平均より時間がかかっているようであった。

待っている間の地獄

待っている間はとにかくやることがない。

ただ座っていることしかできない。

やることがないと不安ばかりが募ってくる。

しかしどんなに不安になってもできることが何もない。

何もできないことを受け入れないと頭がおかしくなりそうになる。

しかし、この時はまだ「自分の犯した罪を考える」というよりかは、「どうやってこの難局を乗り切るか」ということばかり考えていたように思う。

まだ現実がわかっておらず、今思えば「まだ大丈夫だろう、なんだかんだでなんとかなるだろう」と甘く考えていた。

自分の弁護には三人の弁護士が関わってくれた。入れ替わりでほぼ毎日弁護士が来てくれて、被害者との示談交渉や、会社のことなどを伝えに来てくれた。

最初は数日で示談交渉が成立し、すぐに出られるだろうと思っていたが、結局示談交渉は成立せず、また別件での再逮捕もあり、結果としては保釈されるまで80日間拘束されることになる。

世の中はそんなに甘くなかったのだ。

プロフィール
渋谷16番

過去の事件により逮捕され、懲役3年・執行猶予5年の有罪判決を受ける。
会社倒産、借金2億、離婚、自宅売却、自殺未遂。

そんな時にオーディブルと出会い、たくさんの本に触れた。
本から多くの気づきを得て、生きながら罪をつぐなっていくこと、そして自分の可能性を信じ、再起を図ることを決意。

社会に貢献できる人間になるため、僕は人生をあきらめない。

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