【再生日記】2. 警察署へ連行

渋谷16番の再生日記

逮捕当日ー

早朝逮捕され、警察署に向かう車の中で刑事に聞いた。

渋谷16番
「誰かに電話することはできますか」

刑事
「できない」

冷たく一言で一蹴される。

今日も朝から取引先とのアポイントがいくつか入っていた。
連絡もなしに来なかったらどう思われるか。

このまま誰にも連絡できなかったら会社は間違いなくパニックになる。

会社だけじゃない、家族もどうなるんだ。

自分がいなくなったら誰も指示する人間がいない。
ほとんどの取引先に自分が絡んでいるケースが多かった、従業員だけでは業務を回せない。

この件で取引先が離れたらどうする?
収入が全くなくなる、借金の返済はどうするんだ?
そもそも従業員は残るのだろうか?
従業員が残ったとしてもどうやって給料を払う?
家族はどうなる?
下の子供はまだ小さい。
自分がいなければ家族は生きていくことはできない。

どう考えても、自分がいなければ会社も家族も崩壊する。

何があっても連絡を取らなければ。

ただ、もはや何もできない。
そもそも、このあと一体俺はどうなるんだ?

本当に何もわからない。パニックだった。

ただ、逮捕されたことについてはもちろん思い当たる節はある。
まさかいきなり逮捕されるとは。

きちんと被害者と話をすればわかってもらえるはずだ。
なんとか被害者と直接話すことはできないのか?

そもそもいつから警察に相談していた?

前に会ったときにはそんな気配は微塵もなかったぞ。

多くの不安を抱え、何も分からないまま、警察署に連れて行かれた。

ただ、この時はまだ楽観的だったように思う。
なんだかんだですぐに解放され、被害者と和解し、当然刑務所に入ることもないだろう。

自分が解放されさえすれば、会社も家族もなんとか守れるだろう。
まだまだそんな風に考えていた。

警察署へー

1時間くらい車で移動し、車が停車した。

外に出るとたくさんの警察官が待ち構えていた。
人数にして30人くらいだろうか。

異様な光景に圧倒された。

多くの警察官が見守る中、警察署の中に入っていく。

警察署の中に入り、取調室へ。

少しずつ取り調べが始まっていった。

そして、自分が甘く考えすぎていたことを少しずつ思い知らされていく。
このあと私は、3回再逮捕されることになる。

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